前回に引き続き、「転職をしたくなったら考えること」です。

セッションの中でのご質問や、お話ししてきたことを振り返りながらまとめています。

転職したくなったら考えること その1

“自立独立する自信がついたので、マイペースにやりたい“

会社などに勤めていて、自分で独立する場合です。時間は自由ですし、やっただけの成果も返ってきます。
お客様のありがたさが本当に身にしみて分かるのも、周りの方々の支えに深い感謝の気持ちが湧くのも独立の良さだと感じています。

私自身、一人で独立開業したのでこの体験をしました。
今でも周りで温かく見守り、手を差し伸べてくださる方々のありがたさをしみじみと感じています。また、口コミで大切な方々にお伝えくださっているお客様、移転しても変わらず足を運んでくださるお客様、数多くあるSNSやHPの中から、Rayを見つけてくださった皆さまへの本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

でもどんなに好きなことを周りの方に恵まれながらやっていても、大変なことも出てきます。一人でやることの多さに気付かされるのです。

経理の知識、技術や知識の向上、宣伝や集客ための工夫、予約システムを取り入れるなど仕事をしやすくするための工夫、仕入れ先との関係づくり、人を雇うとしたら自分の給料分がどれだけ出せるか、健康健診を受けるなど自分自身のメンテナンス、家族と過ごす時間やプライベートな時間の確保、など、挙げれば業種によって違いますが、挙げればキリがありません。

私はやりたい気持ちで突き進んだタイプなので、始めてから全て試行錯誤を繰り返しました。実際にやりながら経理を覚えて、家族の時間と仕事の時間を両立させるためにスケジュール管理をし、自分に合った仕事量とやり方に気づき、自分自身をメンテナンスする大切さを知る体験をひとつひとつしてきました。

とても遠回りしているのだろうと思います。

最初に勤めをやめてから10年近く、ようやく自分にあったペースが分かるようになったところです。

早く軌道に乗せて、好きな仕事で楽しくやりたいと思うかたにはお勧めできません。夢に向かって突き進めば大丈夫!と言うこともできますが、自分を信頼して楽観的にやっていても、向き合うことは結果的に同じなので、もう少し具体的に知っていた方が準備もしやすいものです。

だからこそ、ご相談いただいたかたには始める前に上のようなことを一度想像してみることをお勧めしています。

お給料をもらってやっている時と、自分で経営していくことの差は大きいので、金銭的な見通しを立てておくことも大切です。ご本人の中でも引っかかっているのもその点で、進みきれない原因にもなっているので、一度起業計画を立ててしっかりと土台づくりをすると安心感につながります。
経理など苦手な分野があればプロの協力をもらうと、安心して仕事に向き合えるので、ビジネスパートナーとして頼れる方を各方面で見つけておくのもいいでしょう。

経営者になって全てを自分で背負うよりも、仕事の中身に集中して充実させたいのであれば、独立しない方が安心して自分らしさを発揮できることもあります。

ご自分がどちらのタイプかじっくりと考えてみてください。

“なんとなく違う気がする“

客観的に聞くと、そんなことで転職するの?と言いたくなるかもしれませんが、そこには根深い問題があったりします。

その違和感、掘り下げてみてください。
自分とのギャップに気づいているか、あまり仕事に向き合えずにいるかではないでしょうか。
どちらにしろ、自分の内面を深く見つめ直すチャンスなので、その“なんとなく“がどこからきているのか考えることで、答えが見えてきます。

転職までは考えていなくても、今の仕事に対してそう思っているかたは割と多いのではないでしょうか。でもそれは自分自身について本当によく考えてみたいという気持ちの現れです。

世の中のことをよく知らない学生のうちに親や先生の言われることを素直に受け止めて決めた進路や就職先。大人として社会に出てなんとなくやれているけれど、心がついていっていない。
誰も自分の本当の気持ちを聞いてくれないし、自分自身もよくわからないから話さない。素直に過ごしてきたので問題は起こさないし、起こらない。

でも、何かが違う。

どこかに置いてきてしまった何かを思い出さなければならない。
もっと人生を楽しめるはず。

そんな思いほど頭をぐるぐる巡るもの。
それがひどくなると仕事に行けなくなってしまったりします。

好きなことをどんどん行動に移して、積極的につかみにいっているかたには理解しにくいかもしれませんが、今の若い方たちに多い傾向です。
他者を理解する教育が行き届きすぎていて、指示されたことをうまくやることはできても、自分自身がどうしたいか考えることが難しいのです。
“人の気持ちを考えよう“ “人の期待に応えよう“と。そうしていれば、周りから喜ばれることでしょう。そして、誰かの真似をしていれば、その人の成功法で同じ成果を挙げられるかもしれません。

でも、本当に自分自身を出しているかというと、そうではありません。

上手くやれているように見える方が、急に仕事への意欲がなくなってしまう場合は、そのような背景が考えられます。自分の意思を出していくことの大切さに気付くための心の急ブレーキがかかってしまうのです。

そんな時に上司や周りの同僚が、「もっと頑張れ」とか「もっと自分を出せ」とかいう励ましの言葉をかけても逆効果です。人のために人のやり方に合わせて頑張ってきて、自分自身の意思が分からなくなっているのに、追い討ちをかけるような言葉になってしまっているのです。

では、そこから一歩踏み出すためにどうすればいいか。

その答えは意外とシンプルです。
『今日自分は何がしたい』『何が食べたい』『誰といたい』と自分の意思を確かめて、自分自身の意思でその行動をしてみることです。

「こうした方がいいから」という効率や効果や結果を考えないで、素直に動いてみること。

そして、喜びを味わうこと。

自分のことがよくわからない。自己主張の仕方もわからない。そのせいで自分自身を好きになれず、自己肯定感も低くなってしまう。だからこそ、自分の意思を出していくというシンプルな体験を丁寧にしていくことが必要なのです。

このことは、若い方だけでなく、いろいろな役割を背負っている世代の方にも当てはまります。どの役割も下ろすこともできません。そんなみなさんと心の中にある本音やインナーチャイルドのことを話していると、自然と涙を流されます。
気づきたかった、気づいて欲しかったと体と心が反応しているのです。
セッションでは、深い心の声を引き出す事で、自分との付き合い方を知っていただいています。

ひとつひとつ丁寧に対応していくことで、きちんと自分を取り戻していくことができます。自分自身を置き去りにせず、人のために働くこともできます。
そのバランスを取ることが大切なのです。

“何となく違う“という違和感は、自分自身に気づいて心が満たされていくことでなくすこともできるので、隠された自分の本心を見つめ直してみてください。

 

それでは最初の質問への答えをもう一度思い浮かべてください。

1 今の仕事にどうして就いたのか。

2 なぜ転職したいのか。

3 転職することでどうなりたいか。

同じ答えが浮かびますか?
それとも何か変化したところがありますか?

はじめの頃の情熱を思い出して、もう一度成長した自分で向き合ってみるのも、新しい仕事に就くために今も大切にしながら一歩目を踏みだすのも、夢を描けるようになってなりたい自分を見つけるのも、 

全て自分自身。

思考を現実化することが生きているということです。

思考を大切にすると同時に心の部分も置き去りにしないで、丁寧に向き合ってみてください。
心も筋肉と同じで鍛えられますし、柔軟にもなります。

転職したくなったら考えること、それは自分自身とどう向き合うかということ。

バランスの取れた生き方を目指していけば、同じような仲間との出会いや、望んだ条件の仕事場、仕事で充実しながらプライベートでも楽しく過ごす日々がやってきますよ!

その頃にはあなたが人を後押しできるような心の力も手にしていることでしょう。

今回あげたことが全てではありません。
道筋は100人いれば100通りあります。

一緒にみて寄り添っていくことが私の役割だと思っていますので、個人的に具体的な内容をお話になりたい時はご相談ください。

ご相談はこちらから

次回は40代〜50代または、すでに独立開業している、自分を表現して個性的にお仕事をしているかたのご相談について書きますね!